「生きてます ! 以上 ! 」とは何か?
2018年、そして平成30年 (!!) 明けましておめでとう御座います。
BBタカユキ「リングの底なし沼 観察記」昨年4月以来、超久々の更新です。何故ずっと更新しなかったかと言いますと・・・
前回、4月9日、新日本プロレス両国大会の観戦予定だったので、そのレポートを次回・・・というところでした。
しかし、そのメインイベントの試合後、私の好きなレスラー、柴田勝頼は、オカダ・カズチカに敗れて退場後、通路で倒れ、救急車で運ばれました。硬膜下血腫で緊急手術を受け、一命は取り留めたものの、今も欠場中です。
試合内容は素晴らしく、正に柴田の決め台詞かつアニメ「タイガーマスク」のテーマの歌詞にもある通り、「男の根性」を見せてもらった、という感じでした。
最後のフィニッシュとなったレインメーカーにも、食らう前に柴田は左腕を振り上げ、切り返そうとしていました。それも叶わず、食らって負けてしまいましたが・・・あれは何を狙っていたのか?是非映像で確認してみて下さい。
今回のこのブログのタイトルの言葉は、その後、8月のG1両国大会の休憩中、久々に公の場に現れた柴田が、リングに上がって、マイクで叫んだ言葉です。まだ復帰に向けてリハビリ中、という段階で、いつ復帰、とも言えない段階の様でしたが、とにかく、心配している、期待しているファンに「生きている」という事だけを伝える、マイク。
柴田ファン程ではなくとも、極少数いる、私のブログを待っている読者の為にも、兎に角、「生きてます、以上」と告げる為、重い腰を上げ、更新に至った次第です。
2017年、中邑真輔がアメリカWWEに行ってしまい、飯伏幸太の試合数が減ってしまい、柴田まで欠場してしまい、新日本で私の好きなレスラー3トップが観られない、という状況。
柴田に続き、プロレス界の帝王、高山善廣までDDTでの試合で受け身の失敗から頸髄完全損傷の重傷。首から下が動かない状態。ついでにと言ったら失礼だけど、みんなのこけし、本間朋晃も試合での怪我による中心性脊髄損傷で欠場中。
2009年の三沢光晴の死亡事故みたいな事を繰り返して欲しくない、という願いも空しく、首へのダメージによる大怪我が続いている。
プロレスについて、書きたい、という気力、体力、意欲、時間が、これらによって止まってしまった、というのが、正直なところでした。
しかし、その間も、「週刊プロレス」は毎週買っていましたし、各団体のビックマッチ中継はチェックしてました。
真輔のWWEでの躍進は誇らしいし、ASUKA、カイリもそう。
新日本。G1前後はEVILの躍進が印象的でしたね。アメリカでの石井対内藤、石井対オメガが良かった。石井は名勝負製造機なのにタイトルに恵まれないなぁ。棚橋対飯伏では棚橋の懐の深さが出ましたね。一線引いた印象だけど、やっぱ凄いレスラーですよ、棚橋は。そして、ボマイェにあやかって、神・棚橋を超える為のヒザ蹴りの技がカミゴェっていうのも、飯伏のプロレス頭。前田日明もKAMINOGEの対談で飯伏の可能性を絶賛してましたね。
橋本千紘、オブライト(ジャーマン)凄いです。
カッキーライド、感動しました。
青木真也、対戦した藤原組長、船木誠勝が絶賛。やっぱ凄いんだな。
鈴木秀樹、いつも面白い試合します。発言も。
石川修司、三冠王者に。素晴らしい。
橋本大地がお父さんのフィニッシュ、垂直落下DDTで初のシングルタイトル奪取。お父さんを観て、大地をデビューから観ている身としては、感慨深い・・・
Sareeちゃん、シードリングからディアナに出戻り・・・
大仁田7度目の引退・・・
などなど、色々楽しんだし、語れば長い話も無きにしもあらずですが・・・
大晦日、1・4、そして、このブログの前回でも取り上げた柳澤健「1984年のUWF」に前田日明が正式に反論した「前田日明が語るUWF全史」上下を現在読んでいるので、このこと等、きっとこのブログの読者は期待していると思うので、いずれ不定期で、気まぐれな時期に、また次回更新したいと思います。
執筆のBGMは、
D'Angelo 「Brown Sugar」
SAM & DAVE 「SOUL SISTER BROWN SUGAR」
でした。あら、ブラウンシュガー続きだった。もし3枚目をかけるならストーンズ「スティッキー・フィンガーズ」で決まりだな。その心は ? 答えが分かった人は、コメント欄に投稿してね。抽選で素敵なプレゼントが当たる!?
ではまた次回。
BBタカユキ「リングの底なし沼 観察記」昨年4月以来、超久々の更新です。何故ずっと更新しなかったかと言いますと・・・
前回、4月9日、新日本プロレス両国大会の観戦予定だったので、そのレポートを次回・・・というところでした。
しかし、そのメインイベントの試合後、私の好きなレスラー、柴田勝頼は、オカダ・カズチカに敗れて退場後、通路で倒れ、救急車で運ばれました。硬膜下血腫で緊急手術を受け、一命は取り留めたものの、今も欠場中です。
試合内容は素晴らしく、正に柴田の決め台詞かつアニメ「タイガーマスク」のテーマの歌詞にもある通り、「男の根性」を見せてもらった、という感じでした。
最後のフィニッシュとなったレインメーカーにも、食らう前に柴田は左腕を振り上げ、切り返そうとしていました。それも叶わず、食らって負けてしまいましたが・・・あれは何を狙っていたのか?是非映像で確認してみて下さい。
今回のこのブログのタイトルの言葉は、その後、8月のG1両国大会の休憩中、久々に公の場に現れた柴田が、リングに上がって、マイクで叫んだ言葉です。まだ復帰に向けてリハビリ中、という段階で、いつ復帰、とも言えない段階の様でしたが、とにかく、心配している、期待しているファンに「生きている」という事だけを伝える、マイク。
柴田ファン程ではなくとも、極少数いる、私のブログを待っている読者の為にも、兎に角、「生きてます、以上」と告げる為、重い腰を上げ、更新に至った次第です。
2017年、中邑真輔がアメリカWWEに行ってしまい、飯伏幸太の試合数が減ってしまい、柴田まで欠場してしまい、新日本で私の好きなレスラー3トップが観られない、という状況。
柴田に続き、プロレス界の帝王、高山善廣までDDTでの試合で受け身の失敗から頸髄完全損傷の重傷。首から下が動かない状態。ついでにと言ったら失礼だけど、みんなのこけし、本間朋晃も試合での怪我による中心性脊髄損傷で欠場中。
2009年の三沢光晴の死亡事故みたいな事を繰り返して欲しくない、という願いも空しく、首へのダメージによる大怪我が続いている。
プロレスについて、書きたい、という気力、体力、意欲、時間が、これらによって止まってしまった、というのが、正直なところでした。
しかし、その間も、「週刊プロレス」は毎週買っていましたし、各団体のビックマッチ中継はチェックしてました。
真輔のWWEでの躍進は誇らしいし、ASUKA、カイリもそう。
新日本。G1前後はEVILの躍進が印象的でしたね。アメリカでの石井対内藤、石井対オメガが良かった。石井は名勝負製造機なのにタイトルに恵まれないなぁ。棚橋対飯伏では棚橋の懐の深さが出ましたね。一線引いた印象だけど、やっぱ凄いレスラーですよ、棚橋は。そして、ボマイェにあやかって、神・棚橋を超える為のヒザ蹴りの技がカミゴェっていうのも、飯伏のプロレス頭。前田日明もKAMINOGEの対談で飯伏の可能性を絶賛してましたね。
橋本千紘、オブライト(ジャーマン)凄いです。
カッキーライド、感動しました。
青木真也、対戦した藤原組長、船木誠勝が絶賛。やっぱ凄いんだな。
鈴木秀樹、いつも面白い試合します。発言も。
石川修司、三冠王者に。素晴らしい。
橋本大地がお父さんのフィニッシュ、垂直落下DDTで初のシングルタイトル奪取。お父さんを観て、大地をデビューから観ている身としては、感慨深い・・・
Sareeちゃん、シードリングからディアナに出戻り・・・
大仁田7度目の引退・・・
などなど、色々楽しんだし、語れば長い話も無きにしもあらずですが・・・
大晦日、1・4、そして、このブログの前回でも取り上げた柳澤健「1984年のUWF」に前田日明が正式に反論した「前田日明が語るUWF全史」上下を現在読んでいるので、このこと等、きっとこのブログの読者は期待していると思うので、いずれ不定期で、気まぐれな時期に、また次回更新したいと思います。
執筆のBGMは、
D'Angelo 「Brown Sugar」
SAM & DAVE 「SOUL SISTER BROWN SUGAR」
でした。あら、ブラウンシュガー続きだった。もし3枚目をかけるならストーンズ「スティッキー・フィンガーズ」で決まりだな。その心は ? 答えが分かった人は、コメント欄に投稿してね。抽選で素敵なプレゼントが当たる!?
ではまた次回。
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「リニューアル第1回。"1984年のUWF"について」とは?
始まりました、BBタカユキ「リングの底なし沼 観察記」。記念すべき第1回でございます。
このブログは、私が以前やっていました、BBタカユキ「燃えるロッ魂」のページをそのまま引き継いだものです。
詳しい経緯は、その最終回に書いた通りですが、それまで一つのブログの中で混在していた内容を、プロレス・ネタと、音楽・その他のネタで、二つのブログに分ける、というもののうち、こちらはプロレス部門のページです。
音楽その他の部門のブログは、BBタカユキ「今夜もブルージーナイト」として、別のブログIDで、順次更新していきますので、よろしければ、そちらも合わせて、お読み下さい。
さて、初めての方の為に一応、自己紹介しておくと、私は「サイコ・アクティブ」という、無名のロックバンドでギターとボーカル、作詞作曲を担当している、そして、「金曜8時」の洗礼を受け、一時離れた時期もありましたが、現在まで見続けているプロレスファンであります。
特に、「週刊ファイト」の元編集長の故・井上義啓さんの書いたものに影響を受けた者です。このブログのタイトルに流用させていただいた、「底なし沼」も井上さんの「プロレスとは、底の丸見えの底なし沼である」という、哲学的な言葉から流用させていただきました。
奥深い、プロレスの世界を見て、考える。そして、世界を、人間を、プロレス的な視点で見て、考える。
それは、人生の深い喜びである、ということの一端を、このブログを通して、私なりに皆さんに紹介したいと思います。
「あなたが深淵を見つめる時、同時に、深淵もあなたを見つめているのだ」
さて、一回目。昨年末から、今年の3月までの、ブログの空白期間を埋めるべきなのですが、ちょっと長くなり過ぎますので、それは徐々に行きたいと思います。
今回は、旧「ロッ魂」の愛読者からリクエストがありました、柳澤健著「1984年のUWF」について書いて欲しい、という声にお応えしようと思います。
ロックンロール、そしてブルース、ジャズ等のブラック・ミュージックは、「コール&レスポンス」という、呼びかけたら応える、という音楽形式、精神が大事な要素です。
プロレスも、相手の仕掛けた技を避けずに受け身を取る、という所が、基本にあります。そんな訳で、行きます。
柳澤氏と言えば、私もその著作は多く読んできました。「1976年のアントニオ猪木」「1985年のクラッシュ・ギャルズ」「1933年の女子プロレス」「1964年のジャイアント馬場」等。
プロレスファンではあるけれども、プロレス業界内のライターではないので、ケーフェイ無視でシュートな内容です。つまり、プロレスは基本的に結末の決められたエンターテインメントである、という前提で各著書で文章を書いています。
ケーフェイとは、プロレス業界内での業界外には内密な物事のことです。
UWFとは、1984年、アントニオ猪木率いる、新日本プロレスから、様々な経緯を背景に生まれた、分派のプロレス団体。その特徴は、新日本の中でも、格闘技志向の強い選手達が集まり、ファイトスタイルやルールも徐々にプロレスの原点回帰と進化を求め、一時社会現象的な人気を博し、後の総合格闘技の礎となった、というものです。
その歴代の在籍レスラーの主なところは、前田日明、高田延彦、藤原喜明、スーパータイガー(初代タイガーマスクの佐山聡)、船木誠勝、鈴木みのる、田村潔司などなど。
UWFに関する書物は今まで沢山出ていて、私も多くを読んできました。今回は、本書ならではの印象的な部分を紹介します。
序章と終章に登場するのは、UWFの選手や直接の関係者ではなく、プロレスファンだった北海道の少年。後のシューティングの選手となる中井祐樹です。そのUWFへの思いの変化が、プロレス・格闘技界における、当時と現在の、UWFの存在の意味をあぶり出す様に、本書は構成されています。
それと、あらゆるUWF本の特徴に、その主役、あるいは中心は前田日明であり、それに対して途中で離脱した佐山聡は、個人の理想だけを追い、現実を無視してUWFを捨て、シューティングを選んだ裏切り者、とあるが、本書は、やはり佐山こそが唯一無二の桁違いの天才プロレスラーであり、総合格闘技のパイオニアである、前田は才能では格段に劣りながら佐山の人間性を否定しつつ佐山の思想をパクって成功した、と断じています。
その佐山。彼が新日本の若手時代、格闘技に更にのめり込むキッカケとして有名な、キックボクシング・ルールのマーク・コステロ戦。惨敗したことで、ゴッチ式のサブミッションだけでなく、「打・倒・極」こそが格闘技の理想だと気づく、という例の試合。
コステロ側の佐山評というのは私は初めて見ました。
「佐山はとても厄介な相手だった。ファイターとして、私と同じ位の経験を持ち、何度か私をレスリングで痛めつけようと試みた。勇気があり、最後の一瞬まで勝負をあきらめなかった」
やがて佐山はタイガーマスクとして、猪木以上のスターとなりながら、契約問題で新日本を辞めます。同じ頃、肉体が衰え、サイドビジネスへの資金流入が選手・スタッフへの求心力降下となった猪木の、移籍先の模索としてUWFが生まれます。
(第一次)UWF旗揚げ戦。前田の相手は、UWF流の格闘技スタイルについてこれなかったとして、酷評され続けてきたダッチ・マンテル。しかし、本書で書かれた、彼の回想は、単に未熟なレスラーである前田にひどい目に遭わされた、として語られています。
「ヒールレスラーであるマンテルの仕事は一つしかない。前田を散々痛めつけ、最後にはこっぴどく負けることだ」
「プロであるマンテルは試合を盛り上げようとベストを尽くしたが、興奮した日本人のベビーフェイスは、観客を喜ばせることよりも、むしろ自分を強く見せることに夢中になっていた。」
「たとえストリートファイトでも、俺がこれほどこっぴどく痛めつけられたことは一度もなかった」
「しばらくすると、前田が俺の控え室にやってきた。ソーリー、ソーリーと繰り返している。何がソーリーだ、このクソ野郎」
「日本でかなりの金額を手に入れた。だが、二度とあのグループに参加するのはごめんだった。」
「半年後、テリー・ファンクから、再びオファーがあり、あのグループはリアリスティックなスタイルで凄く人気がある、と聞いたが、それはよかった、だけど俺はアメリカで十分稼いでいるから遠慮するよ、と答え、二度と日本に行かなかったが、全く後悔はない」
・・・ということです(笑)。こっちの方が、一般的なレスラーの感覚、なんでしょうねぇ・・・
この時の前田の試合後のコメント。
「俺は未熟だ。プロとして魅せる試合が出来ない。ニューヨークで(WWF遠征のこと)プロレスとは、観客と格闘するもの、と悟ったのに。やっぱり日本では通用しなかった。一度やめたつもりで出直す。」
そして柳澤氏の前田評。
「前田は猪木の様な天性のショーマンシップも、佐山の様な天性の運動神経も持っていなかった。しかし、甘いマスクと立派な体格、そして心に響く言葉、自分を客観視する知性を持っていた。」
・・・自分には、どんな試合が出来て、やるべきなのか。そうする理由を観客に伝える理論武装。そうやって業界を生き抜く術。生き様と試合内容のリンクが支持に繋がること。
結局、前田とUWFの成功というのは、そういう事だったんだと、私も思います。
パンクのミュージシャンが、ハードロックやプログレッシブロック、フュージョン等、進化したり複雑化したり、逆にカウンターだったものが主流派になり、大衆や権威に迎合したロックに対する、シンプルな原点回帰を訴えた(自分は逆側が下手だし、嫌いだからこそ)様に。
私は「UWFはパンクだった」との論を持ってますが、ロックの歴史を知っている方なら分かると思います。
「ロック(プロレス)を否定しているパンクもロック(格闘技ではない)である」という点でも。
UWFの運営に、イラストレーターの更級四郎さんが深く関わっていたのも初耳でした。後期FMWのマッチメークに漫画家の杉作J太郎さんが関わっていたのは知ってましたが・・・
ある意味、UWFを佐山、前田以上に象徴するレスラー、藤原の引き抜きも更級さんの手腕だと言う。藤原の奥さんの当時の言葉にはぐっと来ましたね。
「先生、藤原をいつも応援していただいて、ありがとうございます。あんた、良かったね、(主役は)初めてだもんね」
・・・この時、藤原喜明、35歳。その自身のルックス・発言等から、自ら主役を嫌い、名脇役の職人的立場にプライドを持っていたかに思われた藤原ですが・・・
酒の力を借りて臨んだ入団会見後、スタッフに何度も「今日の主役は俺だったか?」と聞いたという。
「あの人が、お酒に飲まれて帰って来たのを見たのは、あの日が初めてでした」と、藤原夫人。
本書の中でも、人生模様が垣間見えた名場面でした。
藤原と共にUWFに移籍した高田延彦。前田曰く「二人は家族みたいなもの。今日は家族と再会した様なもの」。
藤原曰く「前田を日本プロレス界のエースに、ついてきた高田にはUWFが潰れたら俺の財産をやる。二人を殺人マシーンに、俺が育てる。俺たちは"藤原組"だ」
高田曰く「前田さんは兄みたいなもの。藤原さんが行くと聞いてすぐ移籍を決めました」
後のUWF解散を考えると、なんとも切なくなる、当時の3人の絆です。
UWF(プロレス)と格闘技の蹴り(打撃技)の違いについて、分かりやすく解説している部分もありました。空手の正道会館、そしてK-1の石井和義館長。
「プロレスのキックはインパクトまでを速く見せておいて、そこで止める。フォロースルーがないからこそ、レガースがパーンといういい音を立てる。観客は音に驚くけど、僕ら専門家から見ると、相手にダメージを与えない様にうまく蹴ってるな、という印象です。ラリアット、キック、チョップ、全部一緒です。」
藤原が佐山の腕を負傷させ、「仲間の腕を折っちまった・・・」と藤原が涙した、UWFの歴史でも、その壮絶さを伝えるエピソードも「盛っていた」ことが判明しました。
「藤原さんも目立ちたいんです(笑)。記事が出るから、手当をしないと。」とテーピングをする佐山。
翌日、高田に敗れる佐山。
「本当は自分の方が強いけど、怪我をしていたから負けた、と理由を作っておくんです。やっぱりスターですからね」と、更級氏。一方、前田については
「UWFを存続させる為なら、何でもやります、と。この人はいいなあ、と思いました。UWFが一番苦しい時に、前田さんが自分を犠牲にして頑張った。プロレスラーとしての才能は、佐山さんの方がずっと上。でも、前田さんには素朴で温かいところがあった。」と語る。
第一次のUWFの中で、早く完全なガチンコの格闘技のルールに移行したかったのは、佐山と社長でアマレス経験者の浦田さんだけで、他のレスラー、スタッフは現実的に、それはリング上でも、集客的にも、無理だ、と感じていた。それが佐山と浦田の離脱に繋がる。
そしてUWFは新日本にUターンする。
有名な前田・アンドレ戦。アンドレが仕掛けたシュートを前田が跳ね除けた、この試合ですが、マスクド・スーパースターのこの試合の評・前田評が興味深いです。
「前田はガッツがなく、セルフィッシュなレスラーだ。前田が私やマードックにシュートを仕掛け、傷つけることは決してない。必ず報復を受け、決して許さないことを前田はよく知ってるからだ。だが、スキル(特にディフェンス)がなく、自分の動きについてこられない相手に対しては、徹底的に相手をつぶして自分をよく見せようとする。チープなやり方だ。男じゃない。前田はアンドレと距離を保ち、怪我を抱えた足を蹴って破壊した。アンドレ戦前から前田の印象は良くなかったが、試合後は最悪になった。前田はアンドレに"バックステージで一対一でやりたい"と言うべきだった」
・・・マスクド・スーパースターはヘビー級のマスクマンですが、確かアマレス経験のある隠れたシューターであり、後に神父の仕事もする人格者ですが、ここまで言うとは・・・
この後、長州力らの維新軍が全日本からUターンし、前田の長州に対する「顔面襲撃事件」、新日本を解雇、という流れから、第二次UWFの旗揚げと至るのですが、ここでも新事実。
UWFの若手は、前田ら先輩選手と違って新日本にいても、ろくな活躍の場もなく、ギャラも低い。そこで、中野龍雄から、UWFのスタッフ陣に、再旗揚げをしつこく請われた、という事情です。
この辺りの、UWF内部の上半分と下半分(とフロント)の断絶、というのは、後の第二次UWF解散、三派分裂に繋がる、重要なポイントです。
元「週刊プロレス」編集長のターザン山本については、賛否両論あると思いますが、ここでは本書内の、さすがの発言を引用しましょう。
「ファンは青春についていくもの。若者たちが巨大な組織に立ち向かう姿を見たいんです。新しいことをやろうと、古株、組織、体制に反抗する。UWFは青春の表現の一形態。前田日明こそが、そのシンボルだった。」
「答えはファンが持っている。団体、レスラー、マスコミでもない。プロレスで起こるあらゆる出来事の是非を判断するのはファンであって、提供する側ではない。どんなにすごい記事を書いても、ファンに受け入れられなければ、正しいことにはならない。ファンの欲望、あるいは希望に沿ってプロレス雑誌を作るべき。」
・・・・極めて真っ当な、「ものづくり」の姿勢です。アップルのスティーブ・ジョブズは、「それを形として見せるまで、何を欲しいか分かってない人がほとんどだ」と言ってますが・・・
作家の亀和田武。
「佐山の思想を前田がパクリ、簒奪したということ。第二次UWFは、ハードカバーのルールブックを作って売り、大儲けした。借り物の思想をパッケージして大儲けする。まさしくニューアカデミズムの時代にふさわしい出来事だった」
ライターの堀江ガンツ。
「レスラーとファンの両方が、プロレスが八百長とみなされていることに大きなコンプレックスを持っていた。それがUWFの全てです。ファンは、真剣勝負ではないんだろうな、と漠然と感じながらも、レスラーの強さを信じていたし、本当か嘘かを超えてプロレスを愛していた。」
第二次UWFを代表する試合、前田対ゴルドー、ゴルドーがその試合の前後、経緯を赤裸々に語っています。しかし、あのフィニッシュをゴルドーの方が考えたとは・・・
「私と前田の両方が強く見えることが大切だと思ったから、私がミスして負けた、と見える様に、私が決めた。前田が右目を負傷していたのは、前日のリハで私がつけた。本当に強いのはどちらか分かってもらおうと、ちょっとレッスンしてやったのさ(笑)。本番で、寝技で変な事やってきたら、いつでも今と同じ様にキックを入れてやるからな、と私は前田に念を押した。前田はリアルなスピードを持つ本物の打撃を知らない。だから、リハでも本番でも、全ての攻撃が当たってしまう。これにはまいったよ(笑)。プロレスは難しいから、私も敬意を表するが、前田、UWFのレスラー、マンガみたいなレスラー、自分はリアルで強いと考えている。彼らは自分が強くないことを知らない」
・・・ゴルドー、かっこいい、てか、立派なプロレスラーですね(笑)・・・
ちょんまげ議員であり、アマレス経験者、松浪健四郎。
「UWFのプロレスは、手に汗して、息を殺して観戦させる魅力に富んでいる。それは進化したものだからでも、真剣勝負に近いからでもない。単に、熱狂的な若者ファンの"苛酷"というニーズに見事に応えているからだ」
第二次UWFの後期、そして解散後も前田の「リングス」でライバル、そしてオランダ軍団のボスとして活躍した、クリス・ドールマンも、ついにUWFの前田戦の「ワーク」ぶりを赤裸々に語りました。ちょっと残念・・・
リングスでの前田以外の人間がマッチメーカーとしてシュートとワークを混ぜていた事実も赤裸々に語られています。
一方、UWFから離れ、シューティングの指導者として、プロレスではない、総合格闘技の確立を目指す佐山はこの時期をこう述懐する。
「自分自身が、体で技術を覚えてきた。だから身を持って教えるのだが、なかなか理解しない。1のことしかできない生徒にいきなり5のことを教えようとしても、出来るわけがないのだ。このことが分かって以来、俺は技術を言葉で理解させようと努力した。1から5までの技術を、順番に実際やってみせ、"なぜそうしなければいけないか"を言葉に置き換えることが出来る様になっていった。選手達が急激に成長し始めた最大の理由は、そうした俺の成長もあったからに違いない。」
・・・この辺、野球で言えば、天才、長島茂雄さんの指導が感覚的過ぎて伝わらない、という笑い話に代表される、名選手、必ずしも名指導者たらずや、という話ですが、スポーツだけでなく、一般の仕事、学習、子育て等にも通じる、いい話だと思いますね・・・
そして、UWFの解散への第一段階。選手とフロントの分裂ですが、前田がフロントの不透明な経理を正そうとしたのに、フロントが応じなかった、というのが、今までの「UWF正史」だとすれば、本書では全く逆の観点で描かれています。
つまり、「UWFは儲かっている筈なのに、選手に還元されず、フロントに金が流れている」という前田側の主張の、まず「UWF儲かっている」時点で間違っていた、という視点です。
即完売したプレイガイドのチケットは会場の席数の一部でしかない、とか、実際は大会場を埋める為の営業、招待券の配布で埋めていて、実益は足りたなかった、というもの。
悪者にされたフロント陣は、「ファンの思い出を汚したくない」と、敢えて罪を被り、未だ沈黙を貫いている、ということが周囲の証言により、浮かび上がってきました。
つくづく、物事、特に「歴史」というものは、勝者が作っていく、片面でしかない、ということを、本書を読んで、改めて感じました。
ヒクソン・グレイシーの言葉。日本が産み出した柔術を憎み、アメリカ発祥のプロレスを愛する日本人が理解出来なかった。
「僕と僕の一族は、日本の誇り、名誉を守る為に戦っているんです。その僕たちを"殺したい"って、それはおかしいんじゃないですか?」
・・・確かに。戦後の日本は、戦前・戦中の価値観が否定され、輸入された価値観が正しいとされた。輸入された娯楽スポーツであるプロレスにおいて、力道山、馬場、猪木が、「日本人は戦勝国に劣っていない」というプライドを植え付けた。だから、プロレスに最強の夢を見た。
しかし、次なる外圧、グレイシー柔術により、その幻想は砕かれた・・・
結局、何が正しい、というものは永遠ではないし、最強も、その時々で個人や流れの中で、幾つかの事実が、その時代の幻想を生み、更新されていく、ということなのでしょう。
本書の結論。柳澤氏「UWFは、プロレスと総合格闘技の架け橋となり、役目を終えて消滅した。」
中井氏「日本の格闘技はプロレスから生まれた。UWFは分岐点だけど、佐山先生、前田さん、高田さんも同じ。過去を否定するべきではないと思います。」
・・・私の結論は、両氏の言葉も間違いではないが、「UWFは、日本の格闘技、プロレス界に、そして、当時"U"に青春の夢を見た、全てのファンの心に、形を変えながら、消滅せずに生き続けている」
といったところです。
前田日明は、本書を「読んでいない」と言っているそうです。
今回は以上です。執筆のBGMは、
松田聖子 「風立ちぬ」「ユートピア」「Seiko・index」「Seiko-Train」
でした。来週は、新日本プロレスの両国大会の観戦に行く予定です。オカダ・カズチカ対柴田勝頼。今の新日本で一番観たいカードが組まれました。次回以降のこのブログでレポートしたいと思います。
ではまた次回。
このブログは、私が以前やっていました、BBタカユキ「燃えるロッ魂」のページをそのまま引き継いだものです。
詳しい経緯は、その最終回に書いた通りですが、それまで一つのブログの中で混在していた内容を、プロレス・ネタと、音楽・その他のネタで、二つのブログに分ける、というもののうち、こちらはプロレス部門のページです。
音楽その他の部門のブログは、BBタカユキ「今夜もブルージーナイト」として、別のブログIDで、順次更新していきますので、よろしければ、そちらも合わせて、お読み下さい。
さて、初めての方の為に一応、自己紹介しておくと、私は「サイコ・アクティブ」という、無名のロックバンドでギターとボーカル、作詞作曲を担当している、そして、「金曜8時」の洗礼を受け、一時離れた時期もありましたが、現在まで見続けているプロレスファンであります。
特に、「週刊ファイト」の元編集長の故・井上義啓さんの書いたものに影響を受けた者です。このブログのタイトルに流用させていただいた、「底なし沼」も井上さんの「プロレスとは、底の丸見えの底なし沼である」という、哲学的な言葉から流用させていただきました。
奥深い、プロレスの世界を見て、考える。そして、世界を、人間を、プロレス的な視点で見て、考える。
それは、人生の深い喜びである、ということの一端を、このブログを通して、私なりに皆さんに紹介したいと思います。
「あなたが深淵を見つめる時、同時に、深淵もあなたを見つめているのだ」
さて、一回目。昨年末から、今年の3月までの、ブログの空白期間を埋めるべきなのですが、ちょっと長くなり過ぎますので、それは徐々に行きたいと思います。
今回は、旧「ロッ魂」の愛読者からリクエストがありました、柳澤健著「1984年のUWF」について書いて欲しい、という声にお応えしようと思います。
ロックンロール、そしてブルース、ジャズ等のブラック・ミュージックは、「コール&レスポンス」という、呼びかけたら応える、という音楽形式、精神が大事な要素です。
プロレスも、相手の仕掛けた技を避けずに受け身を取る、という所が、基本にあります。そんな訳で、行きます。
柳澤氏と言えば、私もその著作は多く読んできました。「1976年のアントニオ猪木」「1985年のクラッシュ・ギャルズ」「1933年の女子プロレス」「1964年のジャイアント馬場」等。
プロレスファンではあるけれども、プロレス業界内のライターではないので、ケーフェイ無視でシュートな内容です。つまり、プロレスは基本的に結末の決められたエンターテインメントである、という前提で各著書で文章を書いています。
ケーフェイとは、プロレス業界内での業界外には内密な物事のことです。
UWFとは、1984年、アントニオ猪木率いる、新日本プロレスから、様々な経緯を背景に生まれた、分派のプロレス団体。その特徴は、新日本の中でも、格闘技志向の強い選手達が集まり、ファイトスタイルやルールも徐々にプロレスの原点回帰と進化を求め、一時社会現象的な人気を博し、後の総合格闘技の礎となった、というものです。
その歴代の在籍レスラーの主なところは、前田日明、高田延彦、藤原喜明、スーパータイガー(初代タイガーマスクの佐山聡)、船木誠勝、鈴木みのる、田村潔司などなど。
UWFに関する書物は今まで沢山出ていて、私も多くを読んできました。今回は、本書ならではの印象的な部分を紹介します。
序章と終章に登場するのは、UWFの選手や直接の関係者ではなく、プロレスファンだった北海道の少年。後のシューティングの選手となる中井祐樹です。そのUWFへの思いの変化が、プロレス・格闘技界における、当時と現在の、UWFの存在の意味をあぶり出す様に、本書は構成されています。
それと、あらゆるUWF本の特徴に、その主役、あるいは中心は前田日明であり、それに対して途中で離脱した佐山聡は、個人の理想だけを追い、現実を無視してUWFを捨て、シューティングを選んだ裏切り者、とあるが、本書は、やはり佐山こそが唯一無二の桁違いの天才プロレスラーであり、総合格闘技のパイオニアである、前田は才能では格段に劣りながら佐山の人間性を否定しつつ佐山の思想をパクって成功した、と断じています。
その佐山。彼が新日本の若手時代、格闘技に更にのめり込むキッカケとして有名な、キックボクシング・ルールのマーク・コステロ戦。惨敗したことで、ゴッチ式のサブミッションだけでなく、「打・倒・極」こそが格闘技の理想だと気づく、という例の試合。
コステロ側の佐山評というのは私は初めて見ました。
「佐山はとても厄介な相手だった。ファイターとして、私と同じ位の経験を持ち、何度か私をレスリングで痛めつけようと試みた。勇気があり、最後の一瞬まで勝負をあきらめなかった」
やがて佐山はタイガーマスクとして、猪木以上のスターとなりながら、契約問題で新日本を辞めます。同じ頃、肉体が衰え、サイドビジネスへの資金流入が選手・スタッフへの求心力降下となった猪木の、移籍先の模索としてUWFが生まれます。
(第一次)UWF旗揚げ戦。前田の相手は、UWF流の格闘技スタイルについてこれなかったとして、酷評され続けてきたダッチ・マンテル。しかし、本書で書かれた、彼の回想は、単に未熟なレスラーである前田にひどい目に遭わされた、として語られています。
「ヒールレスラーであるマンテルの仕事は一つしかない。前田を散々痛めつけ、最後にはこっぴどく負けることだ」
「プロであるマンテルは試合を盛り上げようとベストを尽くしたが、興奮した日本人のベビーフェイスは、観客を喜ばせることよりも、むしろ自分を強く見せることに夢中になっていた。」
「たとえストリートファイトでも、俺がこれほどこっぴどく痛めつけられたことは一度もなかった」
「しばらくすると、前田が俺の控え室にやってきた。ソーリー、ソーリーと繰り返している。何がソーリーだ、このクソ野郎」
「日本でかなりの金額を手に入れた。だが、二度とあのグループに参加するのはごめんだった。」
「半年後、テリー・ファンクから、再びオファーがあり、あのグループはリアリスティックなスタイルで凄く人気がある、と聞いたが、それはよかった、だけど俺はアメリカで十分稼いでいるから遠慮するよ、と答え、二度と日本に行かなかったが、全く後悔はない」
・・・ということです(笑)。こっちの方が、一般的なレスラーの感覚、なんでしょうねぇ・・・
この時の前田の試合後のコメント。
「俺は未熟だ。プロとして魅せる試合が出来ない。ニューヨークで(WWF遠征のこと)プロレスとは、観客と格闘するもの、と悟ったのに。やっぱり日本では通用しなかった。一度やめたつもりで出直す。」
そして柳澤氏の前田評。
「前田は猪木の様な天性のショーマンシップも、佐山の様な天性の運動神経も持っていなかった。しかし、甘いマスクと立派な体格、そして心に響く言葉、自分を客観視する知性を持っていた。」
・・・自分には、どんな試合が出来て、やるべきなのか。そうする理由を観客に伝える理論武装。そうやって業界を生き抜く術。生き様と試合内容のリンクが支持に繋がること。
結局、前田とUWFの成功というのは、そういう事だったんだと、私も思います。
パンクのミュージシャンが、ハードロックやプログレッシブロック、フュージョン等、進化したり複雑化したり、逆にカウンターだったものが主流派になり、大衆や権威に迎合したロックに対する、シンプルな原点回帰を訴えた(自分は逆側が下手だし、嫌いだからこそ)様に。
私は「UWFはパンクだった」との論を持ってますが、ロックの歴史を知っている方なら分かると思います。
「ロック(プロレス)を否定しているパンクもロック(格闘技ではない)である」という点でも。
UWFの運営に、イラストレーターの更級四郎さんが深く関わっていたのも初耳でした。後期FMWのマッチメークに漫画家の杉作J太郎さんが関わっていたのは知ってましたが・・・
ある意味、UWFを佐山、前田以上に象徴するレスラー、藤原の引き抜きも更級さんの手腕だと言う。藤原の奥さんの当時の言葉にはぐっと来ましたね。
「先生、藤原をいつも応援していただいて、ありがとうございます。あんた、良かったね、(主役は)初めてだもんね」
・・・この時、藤原喜明、35歳。その自身のルックス・発言等から、自ら主役を嫌い、名脇役の職人的立場にプライドを持っていたかに思われた藤原ですが・・・
酒の力を借りて臨んだ入団会見後、スタッフに何度も「今日の主役は俺だったか?」と聞いたという。
「あの人が、お酒に飲まれて帰って来たのを見たのは、あの日が初めてでした」と、藤原夫人。
本書の中でも、人生模様が垣間見えた名場面でした。
藤原と共にUWFに移籍した高田延彦。前田曰く「二人は家族みたいなもの。今日は家族と再会した様なもの」。
藤原曰く「前田を日本プロレス界のエースに、ついてきた高田にはUWFが潰れたら俺の財産をやる。二人を殺人マシーンに、俺が育てる。俺たちは"藤原組"だ」
高田曰く「前田さんは兄みたいなもの。藤原さんが行くと聞いてすぐ移籍を決めました」
後のUWF解散を考えると、なんとも切なくなる、当時の3人の絆です。
UWF(プロレス)と格闘技の蹴り(打撃技)の違いについて、分かりやすく解説している部分もありました。空手の正道会館、そしてK-1の石井和義館長。
「プロレスのキックはインパクトまでを速く見せておいて、そこで止める。フォロースルーがないからこそ、レガースがパーンといういい音を立てる。観客は音に驚くけど、僕ら専門家から見ると、相手にダメージを与えない様にうまく蹴ってるな、という印象です。ラリアット、キック、チョップ、全部一緒です。」
藤原が佐山の腕を負傷させ、「仲間の腕を折っちまった・・・」と藤原が涙した、UWFの歴史でも、その壮絶さを伝えるエピソードも「盛っていた」ことが判明しました。
「藤原さんも目立ちたいんです(笑)。記事が出るから、手当をしないと。」とテーピングをする佐山。
翌日、高田に敗れる佐山。
「本当は自分の方が強いけど、怪我をしていたから負けた、と理由を作っておくんです。やっぱりスターですからね」と、更級氏。一方、前田については
「UWFを存続させる為なら、何でもやります、と。この人はいいなあ、と思いました。UWFが一番苦しい時に、前田さんが自分を犠牲にして頑張った。プロレスラーとしての才能は、佐山さんの方がずっと上。でも、前田さんには素朴で温かいところがあった。」と語る。
第一次のUWFの中で、早く完全なガチンコの格闘技のルールに移行したかったのは、佐山と社長でアマレス経験者の浦田さんだけで、他のレスラー、スタッフは現実的に、それはリング上でも、集客的にも、無理だ、と感じていた。それが佐山と浦田の離脱に繋がる。
そしてUWFは新日本にUターンする。
有名な前田・アンドレ戦。アンドレが仕掛けたシュートを前田が跳ね除けた、この試合ですが、マスクド・スーパースターのこの試合の評・前田評が興味深いです。
「前田はガッツがなく、セルフィッシュなレスラーだ。前田が私やマードックにシュートを仕掛け、傷つけることは決してない。必ず報復を受け、決して許さないことを前田はよく知ってるからだ。だが、スキル(特にディフェンス)がなく、自分の動きについてこられない相手に対しては、徹底的に相手をつぶして自分をよく見せようとする。チープなやり方だ。男じゃない。前田はアンドレと距離を保ち、怪我を抱えた足を蹴って破壊した。アンドレ戦前から前田の印象は良くなかったが、試合後は最悪になった。前田はアンドレに"バックステージで一対一でやりたい"と言うべきだった」
・・・マスクド・スーパースターはヘビー級のマスクマンですが、確かアマレス経験のある隠れたシューターであり、後に神父の仕事もする人格者ですが、ここまで言うとは・・・
この後、長州力らの維新軍が全日本からUターンし、前田の長州に対する「顔面襲撃事件」、新日本を解雇、という流れから、第二次UWFの旗揚げと至るのですが、ここでも新事実。
UWFの若手は、前田ら先輩選手と違って新日本にいても、ろくな活躍の場もなく、ギャラも低い。そこで、中野龍雄から、UWFのスタッフ陣に、再旗揚げをしつこく請われた、という事情です。
この辺りの、UWF内部の上半分と下半分(とフロント)の断絶、というのは、後の第二次UWF解散、三派分裂に繋がる、重要なポイントです。
元「週刊プロレス」編集長のターザン山本については、賛否両論あると思いますが、ここでは本書内の、さすがの発言を引用しましょう。
「ファンは青春についていくもの。若者たちが巨大な組織に立ち向かう姿を見たいんです。新しいことをやろうと、古株、組織、体制に反抗する。UWFは青春の表現の一形態。前田日明こそが、そのシンボルだった。」
「答えはファンが持っている。団体、レスラー、マスコミでもない。プロレスで起こるあらゆる出来事の是非を判断するのはファンであって、提供する側ではない。どんなにすごい記事を書いても、ファンに受け入れられなければ、正しいことにはならない。ファンの欲望、あるいは希望に沿ってプロレス雑誌を作るべき。」
・・・・極めて真っ当な、「ものづくり」の姿勢です。アップルのスティーブ・ジョブズは、「それを形として見せるまで、何を欲しいか分かってない人がほとんどだ」と言ってますが・・・
作家の亀和田武。
「佐山の思想を前田がパクリ、簒奪したということ。第二次UWFは、ハードカバーのルールブックを作って売り、大儲けした。借り物の思想をパッケージして大儲けする。まさしくニューアカデミズムの時代にふさわしい出来事だった」
ライターの堀江ガンツ。
「レスラーとファンの両方が、プロレスが八百長とみなされていることに大きなコンプレックスを持っていた。それがUWFの全てです。ファンは、真剣勝負ではないんだろうな、と漠然と感じながらも、レスラーの強さを信じていたし、本当か嘘かを超えてプロレスを愛していた。」
第二次UWFを代表する試合、前田対ゴルドー、ゴルドーがその試合の前後、経緯を赤裸々に語っています。しかし、あのフィニッシュをゴルドーの方が考えたとは・・・
「私と前田の両方が強く見えることが大切だと思ったから、私がミスして負けた、と見える様に、私が決めた。前田が右目を負傷していたのは、前日のリハで私がつけた。本当に強いのはどちらか分かってもらおうと、ちょっとレッスンしてやったのさ(笑)。本番で、寝技で変な事やってきたら、いつでも今と同じ様にキックを入れてやるからな、と私は前田に念を押した。前田はリアルなスピードを持つ本物の打撃を知らない。だから、リハでも本番でも、全ての攻撃が当たってしまう。これにはまいったよ(笑)。プロレスは難しいから、私も敬意を表するが、前田、UWFのレスラー、マンガみたいなレスラー、自分はリアルで強いと考えている。彼らは自分が強くないことを知らない」
・・・ゴルドー、かっこいい、てか、立派なプロレスラーですね(笑)・・・
ちょんまげ議員であり、アマレス経験者、松浪健四郎。
「UWFのプロレスは、手に汗して、息を殺して観戦させる魅力に富んでいる。それは進化したものだからでも、真剣勝負に近いからでもない。単に、熱狂的な若者ファンの"苛酷"というニーズに見事に応えているからだ」
第二次UWFの後期、そして解散後も前田の「リングス」でライバル、そしてオランダ軍団のボスとして活躍した、クリス・ドールマンも、ついにUWFの前田戦の「ワーク」ぶりを赤裸々に語りました。ちょっと残念・・・
リングスでの前田以外の人間がマッチメーカーとしてシュートとワークを混ぜていた事実も赤裸々に語られています。
一方、UWFから離れ、シューティングの指導者として、プロレスではない、総合格闘技の確立を目指す佐山はこの時期をこう述懐する。
「自分自身が、体で技術を覚えてきた。だから身を持って教えるのだが、なかなか理解しない。1のことしかできない生徒にいきなり5のことを教えようとしても、出来るわけがないのだ。このことが分かって以来、俺は技術を言葉で理解させようと努力した。1から5までの技術を、順番に実際やってみせ、"なぜそうしなければいけないか"を言葉に置き換えることが出来る様になっていった。選手達が急激に成長し始めた最大の理由は、そうした俺の成長もあったからに違いない。」
・・・この辺、野球で言えば、天才、長島茂雄さんの指導が感覚的過ぎて伝わらない、という笑い話に代表される、名選手、必ずしも名指導者たらずや、という話ですが、スポーツだけでなく、一般の仕事、学習、子育て等にも通じる、いい話だと思いますね・・・
そして、UWFの解散への第一段階。選手とフロントの分裂ですが、前田がフロントの不透明な経理を正そうとしたのに、フロントが応じなかった、というのが、今までの「UWF正史」だとすれば、本書では全く逆の観点で描かれています。
つまり、「UWFは儲かっている筈なのに、選手に還元されず、フロントに金が流れている」という前田側の主張の、まず「UWF儲かっている」時点で間違っていた、という視点です。
即完売したプレイガイドのチケットは会場の席数の一部でしかない、とか、実際は大会場を埋める為の営業、招待券の配布で埋めていて、実益は足りたなかった、というもの。
悪者にされたフロント陣は、「ファンの思い出を汚したくない」と、敢えて罪を被り、未だ沈黙を貫いている、ということが周囲の証言により、浮かび上がってきました。
つくづく、物事、特に「歴史」というものは、勝者が作っていく、片面でしかない、ということを、本書を読んで、改めて感じました。
ヒクソン・グレイシーの言葉。日本が産み出した柔術を憎み、アメリカ発祥のプロレスを愛する日本人が理解出来なかった。
「僕と僕の一族は、日本の誇り、名誉を守る為に戦っているんです。その僕たちを"殺したい"って、それはおかしいんじゃないですか?」
・・・確かに。戦後の日本は、戦前・戦中の価値観が否定され、輸入された価値観が正しいとされた。輸入された娯楽スポーツであるプロレスにおいて、力道山、馬場、猪木が、「日本人は戦勝国に劣っていない」というプライドを植え付けた。だから、プロレスに最強の夢を見た。
しかし、次なる外圧、グレイシー柔術により、その幻想は砕かれた・・・
結局、何が正しい、というものは永遠ではないし、最強も、その時々で個人や流れの中で、幾つかの事実が、その時代の幻想を生み、更新されていく、ということなのでしょう。
本書の結論。柳澤氏「UWFは、プロレスと総合格闘技の架け橋となり、役目を終えて消滅した。」
中井氏「日本の格闘技はプロレスから生まれた。UWFは分岐点だけど、佐山先生、前田さん、高田さんも同じ。過去を否定するべきではないと思います。」
・・・私の結論は、両氏の言葉も間違いではないが、「UWFは、日本の格闘技、プロレス界に、そして、当時"U"に青春の夢を見た、全てのファンの心に、形を変えながら、消滅せずに生き続けている」
といったところです。
前田日明は、本書を「読んでいない」と言っているそうです。
今回は以上です。執筆のBGMは、
松田聖子 「風立ちぬ」「ユートピア」「Seiko・index」「Seiko-Train」
でした。来週は、新日本プロレスの両国大会の観戦に行く予定です。オカダ・カズチカ対柴田勝頼。今の新日本で一番観たいカードが組まれました。次回以降のこのブログでレポートしたいと思います。
ではまた次回。
「最終回 新ブログへ移行予告 ご愛読ありがとうございました」とは?
お久しぶりです、BBタカユキ「燃えるロッ魂」でございます。
先日は、このブログの読者の方から、コメント欄にブログの再開を望む声を投稿いただいたので、重い腰を上げて、更新に至った次第です。
突然ですが、いや、少し予告しましたが、今回で、このブログは最終回といたします。
2011年、年末から約5年と少し、基本週末更新でのご愛読、ありがとうございました。
と、言っても、今後は別タイトルで、ブログは続けるつもりです。読者の皆様は、「BBタカユキ」の新ブログを検索して見つけて下さい。
これは「ロッ魂」とは違って不定期で、書きたいネタがある時に更新する、というスタイルにしたいと考えております。
それも、2タイトルを別々に平行して書いていくつもりです。
「ロッ魂」は、ロックバンド「サイコ・アクティブ」のメンバーである私、BBタカユキの日常感じたものを、一週間単位で、バンドの最新情報と共に紹介していくスタイルでした。
その内容は音楽だけに限らず、プロレス、格闘技、映画、漫画、小説、TV、アート、ニュース各種等、多岐に渡る訳ですが、一番多くを占めるのはプロレスネタ、二番手が音楽、以下その他、というのが実情でした。
「ロックファンにプロレスの面白さを」「プロレスファンにロックの面白さを」その共通項を知る私は、使命感を持って、広めるつもりで一つのブログに書いてきた訳ですが、どちらかのファンは、一方には興味がない、という読者の声が多く聞かれました。
そこで、今後は、その使命感は保ちつつ、ブログを「プロレスファン向けのもの」「音楽(その他カルチャー・アート)ファン向けのもの」の二つに分け、今までの様に、一週間単位ではなく、書きたいものがそれぞれ出来た時にそれぞれを更新する、というスタイルを取りたいと思います。
一方のファンは興味がない回、部分を飛ばす手間が省けるし、両方とも興味があるファンはお判りの通り、2タイトルともご愛読いただければ、2倍、3倍、10倍、100倍楽しめます。
「ロッ魂」終了の理由はいくつかありますが、そのテーマ分けが一つ。
それから、私のプライベートの生活サイクルの変化、音楽界、プロレス界等の変化による、テーマ探し、執筆時間の確保の難しさが一つ。
それと、以前にも書きました、JASRACからの、ブログ削除依頼の第二弾が先日来まして、過去の複数のブログが凍結されました。
私の愛する歌の歌詞を紹介したのが理由ですが・・・(詳しくは、このブログの「JASRACからブログ削除依頼が来た!!」とは?の回をお読み下さい)
5年間のブログのタイトル一本一本が魂込めた作品ですが、そんな訳で、虫食いだらけのアーカイブになってしまっています。
一部に歌詞の引用があるからと言って、読めない傑作ブログも多い訳で、そのテーマのリニューアル・バージョンも、今度はJASRACに妨害されない方法で残せる様にしたい、というのも一つです。
最後に、大事なお知らせです。
私のバンド、サイコ・アクティブは、2月4日(土)、両国SUNRIZEに出演します。開演18:00からのトップバッターです。
ブログの終了というブルースを吹き飛ばす、そして、新ブログの始まりへの希望のロックンロールを鳴らす様なステージを見せたいと思います。
「ロッ魂」読者の皆様と両国で会えるのを楽しみにしています。
執筆のBGMは、
井上陽水 「氷の世界」
マイケル・ジャクソン 「オフ・ザ・ウォール」
でした。
では、あらためて、ご愛読、ありがとうございました。近いうち、二つの新ブログで、お会いしましょう。
それまで、トランキーロ、焦~っっっせんなよ!!
アディオス、アミーゴ!!
先日は、このブログの読者の方から、コメント欄にブログの再開を望む声を投稿いただいたので、重い腰を上げて、更新に至った次第です。
突然ですが、いや、少し予告しましたが、今回で、このブログは最終回といたします。
2011年、年末から約5年と少し、基本週末更新でのご愛読、ありがとうございました。
と、言っても、今後は別タイトルで、ブログは続けるつもりです。読者の皆様は、「BBタカユキ」の新ブログを検索して見つけて下さい。
これは「ロッ魂」とは違って不定期で、書きたいネタがある時に更新する、というスタイルにしたいと考えております。
それも、2タイトルを別々に平行して書いていくつもりです。
「ロッ魂」は、ロックバンド「サイコ・アクティブ」のメンバーである私、BBタカユキの日常感じたものを、一週間単位で、バンドの最新情報と共に紹介していくスタイルでした。
その内容は音楽だけに限らず、プロレス、格闘技、映画、漫画、小説、TV、アート、ニュース各種等、多岐に渡る訳ですが、一番多くを占めるのはプロレスネタ、二番手が音楽、以下その他、というのが実情でした。
「ロックファンにプロレスの面白さを」「プロレスファンにロックの面白さを」その共通項を知る私は、使命感を持って、広めるつもりで一つのブログに書いてきた訳ですが、どちらかのファンは、一方には興味がない、という読者の声が多く聞かれました。
そこで、今後は、その使命感は保ちつつ、ブログを「プロレスファン向けのもの」「音楽(その他カルチャー・アート)ファン向けのもの」の二つに分け、今までの様に、一週間単位ではなく、書きたいものがそれぞれ出来た時にそれぞれを更新する、というスタイルを取りたいと思います。
一方のファンは興味がない回、部分を飛ばす手間が省けるし、両方とも興味があるファンはお判りの通り、2タイトルともご愛読いただければ、2倍、3倍、10倍、100倍楽しめます。
「ロッ魂」終了の理由はいくつかありますが、そのテーマ分けが一つ。
それから、私のプライベートの生活サイクルの変化、音楽界、プロレス界等の変化による、テーマ探し、執筆時間の確保の難しさが一つ。
それと、以前にも書きました、JASRACからの、ブログ削除依頼の第二弾が先日来まして、過去の複数のブログが凍結されました。
私の愛する歌の歌詞を紹介したのが理由ですが・・・(詳しくは、このブログの「JASRACからブログ削除依頼が来た!!」とは?の回をお読み下さい)
5年間のブログのタイトル一本一本が魂込めた作品ですが、そんな訳で、虫食いだらけのアーカイブになってしまっています。
一部に歌詞の引用があるからと言って、読めない傑作ブログも多い訳で、そのテーマのリニューアル・バージョンも、今度はJASRACに妨害されない方法で残せる様にしたい、というのも一つです。
最後に、大事なお知らせです。
私のバンド、サイコ・アクティブは、2月4日(土)、両国SUNRIZEに出演します。開演18:00からのトップバッターです。
ブログの終了というブルースを吹き飛ばす、そして、新ブログの始まりへの希望のロックンロールを鳴らす様なステージを見せたいと思います。
「ロッ魂」読者の皆様と両国で会えるのを楽しみにしています。
執筆のBGMは、
井上陽水 「氷の世界」
マイケル・ジャクソン 「オフ・ザ・ウォール」
でした。
では、あらためて、ご愛読、ありがとうございました。近いうち、二つの新ブログで、お会いしましょう。
それまで、トランキーロ、焦~っっっせんなよ!!
アディオス、アミーゴ!!
「今面白いプロレスは大日本にあり」とは?
2週連続更新遅れました、BBタカユキ「燃えるロッ魂」でございます。5年前に始まりました、このブログですが、基本週末更新で続けて来ました。それは私の生活サイクル的に週末に時間があるパターンが多かったからです。
しかし、ここ最近、そのサイクルも少し変化し、必ずしも週末に時間があるとは限らなくなってきました。楽しみに待っている読者の皆さんにとっても、また、定期的に自分の考えをまとめたり、整理したり、自分のバンドの情報や、その時、いいと思ったものの情報を発信・共有する事は自分にとっても、日常における丁度いい区切り、楽しみでありました。
ここ最近、内容が薄まったり、更新が遅れたりする事を感じるので、ネタが蓄積して、時間のある時に書く、不定期更新に変更する事も考えております。
さて、年末も近づいて、プロレス界は東京スポーツ制定「プロレス大賞」の年間MVPを始めとする各賞候補も気になる時期です。
「週刊プロレス」は先日、これも年末恒例、「写真名鑑号」が発売されました。表紙は各団体の現在の主力と、来年一層の飛躍が期待される選手が顔を揃えます。
この名鑑号を見ながら、最近観た試合の感想を挟みつつ、各賞の予想、来年の展望等、書いてみます。
MVPは何と言っても、新日本プロレス、内藤哲也でしょう。ロス・インゴのブーム、発言の的確さ、試合内容の高さ、ベルトを放り投げる等の反体制、既成概念の破壊ぶり、IWGPヘビーは短期政権、G1は予選落ちでしたが、予選最終日のケニー戦は、年間ベストバウト候補です。
そのオメガ。長いG1の歴史で初の外人優勝。今年年頭、新日本は中邑、AJ、飯伏らが抜けた訳ですが、内藤は真輔のカリスマを、オメガはAJのトップ外人のポジションを埋めました。飯伏の代わりはさすがに出ませんでした。しいて言えばタイガーマスクWですが・・・
エースだった棚橋が名鑑号の表紙にいない、というのが象徴的ですね。ロス・インゴは全員顔を揃えているのに。
新エースたるオカダ。内藤からベルトを取り返して、かろうじてトップをキープしましたが、支持率では内藤と微妙な所でしょう。来年はオカダと内藤の直接対決がクライマックスになるでしょうね。
もう一人、新日本から表紙に選ばれたのはYOSHIHASHI。今年はG1で長い下積みが一気に花開いた年でしたが、来年はもっとベルトに絡んで、更なるトップ戦線へ行って欲しい。
柴田は表紙にはいませんが、私が新日本で期待しているのは柴田です。来年はNEVERではなく、G1やIWGPヘビーの、真のトップを狙って欲しい。
宮原は全日本から唯一の表紙。両国では諏訪魔との三冠戦という頂上決戦を控える。ここで勝った方が、来年も老舗を引っ張る王者だと云う事。その強さでは諏訪魔だが、宮原の試合内容、華、健介オフィスで叩き込まれた基礎。現時点では宮原で行った方がいい気がします。全日本らしさの試合内容の高さと、新日本的に女性ファン獲得の両面を考えると。
健介オフィス出身を並べる、心憎い表紙の配置。ノアのGHCヘビーをついに戴冠した中嶋勝彦。奪取した杉浦戦。いつも通りのバチバチ・ゴツゴツの打撃戦。しかし・・・ラストのハイスパートの応酬が、やはり純正ノア、というより健介オフィス、て感じがしてしまいます。前にも書いたけど、ノア、GHCらしさより、勝彦らしさで行った方がいいんじゃないかな。
もう一人、同じく健介オフィス出身、マサ北宮。マサ斎藤キャラという、空き家を見つけ、ブレイク。杉浦に挑んだタイトル戦は、あの杉浦をフィジカルで圧倒する場面もありましたからね。マイバッハ谷口が行くべきだったポジションを奪いましたね(笑)。来年以降も伸びて欲しい。
大日本。王者神谷政権は続くのか?大地とのライバルストーリーは見たいけど、体を絞った和樹と大地のストーリーは終わりなのでしょうか?
関本・岡林は全日本の世界タッグ王者ですが、これは恐らく両国でビッグガンズに取られると予想します。しかし、史上最高内容の最俠タッグを制したこの二人の価値は凄いですね。対SMOP、対ツインタワーズ、対ヤンキー二丁拳銃、素晴らしい内容でした。
タッグ戦の最高峰は今、大日本にある、と断言しましょう。東スポ大賞では丸藤・矢野組が取る気がしますが・・・
そのツインタワーズであり、DDTの無差別級王者でもある石川修司。「プロレス界で一番デカくて強い」との自称が大げさではない程です。
この辺りの選手達が、今の新日本のトップどころと絡むところも見たいですが・・・単純に、「どっちがつええんだ?」と思います。
今年はWWEも掲載、ということで、NXT王者のシンスケ・ナカムラとスマックダウンのヘビー王者、AJスタイルズ。と、NXTの来日公演を前に、登場以来無敗だった真輔はサモア・ジョーに初の敗北を喫し、王座を明け渡した、と。恐らく来日公演で奪還する、というハッピーエンドの為でしょう。
飯伏もWWE、国内で数試合しただけでも表紙に登場。その不在が逆に存在の大きさを感じさせます。さて、来年の展開は?
「初代タイガーマスクを超える可能性を持つ唯一の選手」という、ゴングの大川さんの発言に、同感です。
女子からはイオと橋本千紘。ちっち(橋本の愛称)があの里村からタイトルを取った試合を見ました。うーん。プロとしてまだまだだけど、その強さの潜在能力、確かに女子プロレス界を変える可能性を持ってます。スターダムとの対抗戦で3人抜きした時が凄かったですね。ジャーマンに「オブライト」ってネーミングはいいですね。その体格、レスリング・キャリア、技の危険度。「ぎゅん!!」のキャラ、カサンドラ、岩田から白姫に改名した仙女3銃士、アジャら他団体との戦い、楽しみです。
宮原、修司辺りに3賞をあげたいですね。新人賞はまさかの女子から橋本千紘。赤井沙希が取ったなら、ちっちも取れるでしょう。
大日本の野村卓也もいい素材ですけどね。一気に受賞するかな?タイトルは取ってないし。いや~来年以降が楽しみな選手です。全日本の両国では、全日本の野村直也と「野村対決」。橋本同士のチーム大和の様に、同性ライバルになるか?
今回は以上です。執筆のBGMは、
THA BLUE HERB 「SELL OUR SOUL」
でした。ではまた次回。
私のバンド、サイコ・アクティブの次回ライブは、12月11日(日)町田West Voxにて。YouTubeに過去のライブ音源がアップ中です。
しかし、ここ最近、そのサイクルも少し変化し、必ずしも週末に時間があるとは限らなくなってきました。楽しみに待っている読者の皆さんにとっても、また、定期的に自分の考えをまとめたり、整理したり、自分のバンドの情報や、その時、いいと思ったものの情報を発信・共有する事は自分にとっても、日常における丁度いい区切り、楽しみでありました。
ここ最近、内容が薄まったり、更新が遅れたりする事を感じるので、ネタが蓄積して、時間のある時に書く、不定期更新に変更する事も考えております。
さて、年末も近づいて、プロレス界は東京スポーツ制定「プロレス大賞」の年間MVPを始めとする各賞候補も気になる時期です。
「週刊プロレス」は先日、これも年末恒例、「写真名鑑号」が発売されました。表紙は各団体の現在の主力と、来年一層の飛躍が期待される選手が顔を揃えます。
この名鑑号を見ながら、最近観た試合の感想を挟みつつ、各賞の予想、来年の展望等、書いてみます。
MVPは何と言っても、新日本プロレス、内藤哲也でしょう。ロス・インゴのブーム、発言の的確さ、試合内容の高さ、ベルトを放り投げる等の反体制、既成概念の破壊ぶり、IWGPヘビーは短期政権、G1は予選落ちでしたが、予選最終日のケニー戦は、年間ベストバウト候補です。
そのオメガ。長いG1の歴史で初の外人優勝。今年年頭、新日本は中邑、AJ、飯伏らが抜けた訳ですが、内藤は真輔のカリスマを、オメガはAJのトップ外人のポジションを埋めました。飯伏の代わりはさすがに出ませんでした。しいて言えばタイガーマスクWですが・・・
エースだった棚橋が名鑑号の表紙にいない、というのが象徴的ですね。ロス・インゴは全員顔を揃えているのに。
新エースたるオカダ。内藤からベルトを取り返して、かろうじてトップをキープしましたが、支持率では内藤と微妙な所でしょう。来年はオカダと内藤の直接対決がクライマックスになるでしょうね。
もう一人、新日本から表紙に選ばれたのはYOSHIHASHI。今年はG1で長い下積みが一気に花開いた年でしたが、来年はもっとベルトに絡んで、更なるトップ戦線へ行って欲しい。
柴田は表紙にはいませんが、私が新日本で期待しているのは柴田です。来年はNEVERではなく、G1やIWGPヘビーの、真のトップを狙って欲しい。
宮原は全日本から唯一の表紙。両国では諏訪魔との三冠戦という頂上決戦を控える。ここで勝った方が、来年も老舗を引っ張る王者だと云う事。その強さでは諏訪魔だが、宮原の試合内容、華、健介オフィスで叩き込まれた基礎。現時点では宮原で行った方がいい気がします。全日本らしさの試合内容の高さと、新日本的に女性ファン獲得の両面を考えると。
健介オフィス出身を並べる、心憎い表紙の配置。ノアのGHCヘビーをついに戴冠した中嶋勝彦。奪取した杉浦戦。いつも通りのバチバチ・ゴツゴツの打撃戦。しかし・・・ラストのハイスパートの応酬が、やはり純正ノア、というより健介オフィス、て感じがしてしまいます。前にも書いたけど、ノア、GHCらしさより、勝彦らしさで行った方がいいんじゃないかな。
もう一人、同じく健介オフィス出身、マサ北宮。マサ斎藤キャラという、空き家を見つけ、ブレイク。杉浦に挑んだタイトル戦は、あの杉浦をフィジカルで圧倒する場面もありましたからね。マイバッハ谷口が行くべきだったポジションを奪いましたね(笑)。来年以降も伸びて欲しい。
大日本。王者神谷政権は続くのか?大地とのライバルストーリーは見たいけど、体を絞った和樹と大地のストーリーは終わりなのでしょうか?
関本・岡林は全日本の世界タッグ王者ですが、これは恐らく両国でビッグガンズに取られると予想します。しかし、史上最高内容の最俠タッグを制したこの二人の価値は凄いですね。対SMOP、対ツインタワーズ、対ヤンキー二丁拳銃、素晴らしい内容でした。
タッグ戦の最高峰は今、大日本にある、と断言しましょう。東スポ大賞では丸藤・矢野組が取る気がしますが・・・
そのツインタワーズであり、DDTの無差別級王者でもある石川修司。「プロレス界で一番デカくて強い」との自称が大げさではない程です。
この辺りの選手達が、今の新日本のトップどころと絡むところも見たいですが・・・単純に、「どっちがつええんだ?」と思います。
今年はWWEも掲載、ということで、NXT王者のシンスケ・ナカムラとスマックダウンのヘビー王者、AJスタイルズ。と、NXTの来日公演を前に、登場以来無敗だった真輔はサモア・ジョーに初の敗北を喫し、王座を明け渡した、と。恐らく来日公演で奪還する、というハッピーエンドの為でしょう。
飯伏もWWE、国内で数試合しただけでも表紙に登場。その不在が逆に存在の大きさを感じさせます。さて、来年の展開は?
「初代タイガーマスクを超える可能性を持つ唯一の選手」という、ゴングの大川さんの発言に、同感です。
女子からはイオと橋本千紘。ちっち(橋本の愛称)があの里村からタイトルを取った試合を見ました。うーん。プロとしてまだまだだけど、その強さの潜在能力、確かに女子プロレス界を変える可能性を持ってます。スターダムとの対抗戦で3人抜きした時が凄かったですね。ジャーマンに「オブライト」ってネーミングはいいですね。その体格、レスリング・キャリア、技の危険度。「ぎゅん!!」のキャラ、カサンドラ、岩田から白姫に改名した仙女3銃士、アジャら他団体との戦い、楽しみです。
宮原、修司辺りに3賞をあげたいですね。新人賞はまさかの女子から橋本千紘。赤井沙希が取ったなら、ちっちも取れるでしょう。
大日本の野村卓也もいい素材ですけどね。一気に受賞するかな?タイトルは取ってないし。いや~来年以降が楽しみな選手です。全日本の両国では、全日本の野村直也と「野村対決」。橋本同士のチーム大和の様に、同性ライバルになるか?
今回は以上です。執筆のBGMは、
THA BLUE HERB 「SELL OUR SOUL」
でした。ではまた次回。
私のバンド、サイコ・アクティブの次回ライブは、12月11日(日)町田West Voxにて。YouTubeに過去のライブ音源がアップ中です。
「バンドマンが読むべき2冊を紹介」とは?
更新遅れました、BBタカユキ「燃えるロッ魂」でございます。ドナルド・トランプ氏が次期アメリカ大統領に決まりました。プロレスファンの私にとっては、数年前のWWE「レッスル・マニア」でビンス・マクマホン・オーナーと抗争していた大富豪、というイメージですが、まさか、まじで大統領になるとは・・・アメリカの国内事情がそうさせたんでしょうねぇ・・・
さて、そんな歴史的転換とは関係なく、今回はバンドマンのブログらしく、同志達にオススメしたい、参考になる書籍を最近読んだので、紹介したいと思います。
足立浩志:著、「バンドマンが知るべき100の秘訣」「バンドマンが読むべきライブハウスの取り扱い説明書」です。
前者のサブタイトルは「PAエンジニアから見たバンドの音作り」、後者は「バンド結成からライブハウスでの立ち回りまですべて分かる」となっております。
大阪のライブハウスの経営者兼PAエンジニアが書いたということで、実践的な内容です。
我々の様な、年間数える程度のライブ本数のバンドマンは、ライブハウスという発表の場で、スタッフの方々のお力を借りて、演奏するわけですが、現場の方がどう考えているか、こちらとしてはどうして欲しいのかを、こと細かく知る機会はなかなかありません。
機材の扱い方、リハーサル・本番での立ち振る舞いのポイント、そのため普段の練習等で踏まえる事等、私等が経験で徐々に覚えていった事も、なるほど、という感じで、詳しく説明されております。
初心者は勿論、ベテランでも「そうだったのか」となる項目も多いと思います。
前者はツイッターでのつぶやきが元になっており、そこに詳しい解説が加えている、という構成が、現代的だな、と感じました。
全てのバンドマンに一読をオススメします。ここに書いてあることが全て正解とは言わないまでも、一意見として参考になること請け合いです。
そんな私のバンド、サイコ・アクティブの次回ライブは、12月11日(日)町田West Voxにて。「KINPACHI NIGHT Vol.4」に出演します。過去のライブ音源はYouTubeにアップ中です。
今回は以上です。執筆のBGMは、
The Doors 「The Doors」
でした。最近、ドアーズ的なバンドって、少ないよね・・・
ではまた次回。
さて、そんな歴史的転換とは関係なく、今回はバンドマンのブログらしく、同志達にオススメしたい、参考になる書籍を最近読んだので、紹介したいと思います。
足立浩志:著、「バンドマンが知るべき100の秘訣」「バンドマンが読むべきライブハウスの取り扱い説明書」です。
前者のサブタイトルは「PAエンジニアから見たバンドの音作り」、後者は「バンド結成からライブハウスでの立ち回りまですべて分かる」となっております。
大阪のライブハウスの経営者兼PAエンジニアが書いたということで、実践的な内容です。
我々の様な、年間数える程度のライブ本数のバンドマンは、ライブハウスという発表の場で、スタッフの方々のお力を借りて、演奏するわけですが、現場の方がどう考えているか、こちらとしてはどうして欲しいのかを、こと細かく知る機会はなかなかありません。
機材の扱い方、リハーサル・本番での立ち振る舞いのポイント、そのため普段の練習等で踏まえる事等、私等が経験で徐々に覚えていった事も、なるほど、という感じで、詳しく説明されております。
初心者は勿論、ベテランでも「そうだったのか」となる項目も多いと思います。
前者はツイッターでのつぶやきが元になっており、そこに詳しい解説が加えている、という構成が、現代的だな、と感じました。
全てのバンドマンに一読をオススメします。ここに書いてあることが全て正解とは言わないまでも、一意見として参考になること請け合いです。
そんな私のバンド、サイコ・アクティブの次回ライブは、12月11日(日)町田West Voxにて。「KINPACHI NIGHT Vol.4」に出演します。過去のライブ音源はYouTubeにアップ中です。
今回は以上です。執筆のBGMは、
The Doors 「The Doors」
でした。最近、ドアーズ的なバンドって、少ないよね・・・
ではまた次回。

